エアコンを買いたいけどどんな機種を選んでいいのかわからない。
「○畳対応って書いてあるけどこれにすればいい?」
「機能がありすぎてどれが良いかよくわからない!」
そんな人に向けてエアコンの選び方やおすすめの機種を解説しちゃいます!
購入前に設置場所のスペースやコンセントの形状を確認しよう
室内機
室内機は天井から7cm以上、壁から5cm以上、室内機の下側は10cm以上のスペースが必要と言われています。これまでエアコンを設置していた場所なら問題が起こる可能性は低いですが、どのぐらいのサイズの室内機まで設置できるのか確認しておいたほうが良いかもしれません。
室外機
室外機は前面は25cm以上、横は5cm以上、後ろは5cm以上のスペースが目安です。室外機の設置場所は省エネにも影響してきますので忘れず設置場所を確認しておきましょう。
コンセントの形状
エアコンのコンセントの形状は4種類あります。
対応畳数が狭いものだと100V・15Aで問題ありませんがリビングなど広い場所に設置しようとすると200Vのコンセントが必要になってくることがあります。
工事が必要になることもあるので設置予定場所のコンセントはどんな形状をしているのかチェックしておきましょう。
対応畳数の表記を鵜呑みにするな!
エアコン売り場などで見かける○畳用といった表記。
「設置するのは6畳だから6畳用を選べばいいや」
などと思っていませんか?でも実はこの表記って家が鉄筋か木造かによって変わってくるんです。鉄筋なら断熱性能が高く冷暖房の効きも良いですが、木造の場合は効率が落ちてしまいますよね。
例えば6畳用と表記されているものの場合ですが
- 冷房・・・木造和室6畳、鉄筋洋室9畳
- 暖房・・・木造和室5畳、鉄筋洋室6畳
といったぐらいが目安となるようです。
メーカーのカタログなどをよく見ると
- 冷房8~12畳
- 暖房8~10畳
などとありますが、小さいほうの数値は木造和室、大きいほうは鉄筋洋室の目安として検討したほうがよいでしょう。
この他、部屋はどの方角を向いているのか集合住宅なら最上階なのか中間階なのか、といった要素も考慮したほうが良いといわれています。最上階だと外気の影響を受けやすいですし、部屋が南側にあれば夏場はかなり暑くなりそうですよね。
また、コンロを使うキッチンの場合はより余裕のある畳数にしたほうがよいでしょう。
この他、天井が高い場合は空間が広くなるためこの点を考慮して畳数に余裕のあるモデルを選びたいですね。
この点については別ページエアコンの能力・対応畳数の選び方も参考にしていただければと思います。
- 建物のつくり
- 部屋の向き
- 窓の大きさや取り付けてある方角
- 天井の高さ
- 部屋の形(置くまで気流を届けるのに障害物があるか)
- コンロなど熱源となるものがあるか
- 暑い地域なのか寒い地域なのか
などがチェックポイントでしょうか。
暖房重視ならより余裕を持たせたい
こうした数値を見るとわかりますが冷房よりも暖房のほうが対応畳数は狭くなります。冬場にきちんと暖房を効かせたいなら対応畳数には余裕をもたせたほうがよさそうです。
省エネ性はAPFが参考になるかも
写真のような表示を見たことがあるでしょうか。
これは省エネ基準達成率とAPFを表したものです。
省エネ基準達成率
これは室外機や冷房能力など基準が設定されているなかでどのぐらい達成できているかを表すものです。ただし比較する場合は、「目標年度○年度」と書かれている年数が同じかどうかやエアコンのパワー区分があり2.2kW・2.5kW・2.8kW・・・といった具合に分かれているので同じものを比較する必要があります。
APF(エネルギー消費効率)
数値が大きいほど省エネです。
以前はCOPという数値もあったみたいですがAPFのほうが実使用に近い数値といわれています。
もちろん実使用と計算の違う部分も出てくるとはおもいますが省エネの目安になると思います。
これらの要素に関しては
でも説明していますので参考にしていただければと思います。
本当にその機能は必要?部屋によって機能を決める
メーカーごとに独自の機能を打ち出していていますし、各メーカー最上位機種は至れり尽くせりの機能が搭載されていますよね。
でも本当にその機能って必要でしょうか?どんな部屋に設置するのかよく考える必要があります。
来客用の部屋など
来客用の部屋など使用頻度の低い部屋なら特別な機能を搭載したエアコンは要らないですよね。
廉価版のモデルで良いのではないでしょうか。
子供部屋
子供部屋ならお子さんのことを考えて空気清浄機能や風が直接当たらないようセンサー機能を搭載したモデルが候補でしょうか。
エアコンをあまり使わせたくないという場合は廉価モデルでもいいのかも。このあたりはご家庭の教育方針によるでしょうか。
寝室
センサーが付いていて冷やしすぎを防止するエアコンを選んだり、お肌のことを考えて加湿機能の付いたエアコンを選んだりといったことが考えられます(加湿器を用意できるなら別で用意したほうが性能的にはよさそう)。
あとは盲点としては騒音でしょうか。寝ている場所の近くで室外機が大きな音を立てると気になって眠れないという人もいると思います。パワーに余裕を持たせてエアコンを選ぶと室外機がフル稼働することも少なくなるかもしれません。
リビング
一番機能が求められるのはここでしょうか。気流を遠くまで送る機能や暑い人寒い人を見分ける機能などが便利です。
高性能エアコンを設置するなら一番過ごす時間が長いと思われるリビングとなるケースがほとんどでしょう。
お掃除機能付きエアコンはクリーニング代が余計にかかる場合も
エアコンの自動お掃除機能。フィルターを掃除する手間が減って便利な面もありますが、困った点もあります。クリーニング業者に依頼した際、通常よりも料金が高くなってしまう場合があるんです(中には安値でやってくれるところもあるようですが)。
自動お掃除機能があると構造も複雑になってその分料金が余計にかかってしまうようですね。こうした点も考慮してエアコンを選ぶのも1つの考え方です(高性能なエアコンには自動お掃除機能が付いているので選択肢が廉価モデルだけになってしまいますが)。
メーカーによって何が違うの
各メーカー独自の機能を搭載していますが、いったいどんな機能があるのでしょうか、メーカーの特色が出ている最上位機種を取り上げて違いをくらべてみたいと思います。
ダイキン
ダイキンだけの魅力というのはやはり「うるる加湿」でしょうか。
空気中の水分を利用して加湿してくれます。冬場は外の空気も乾燥していますから効率のほどはどの程度なのか疑問はありますが空調と加湿を1台でまかないたいという人は注目の機能です。
この機能を搭載しているのは最上位機種のRシリーズのみとなります。
この他注目は「スゴ暖」という寒冷地対応のエアコンです。外気温が-25℃という低温でも暖房運転が可能となっています。
室外機のための高置台と防雪フードを設置することがおすすめされていますが、寒冷地だけどエアコンを使いたいという人は検討の価値があるかも。
ダイキンrisoraはデザイン重視の人に
見た目にもこだわるなら「risora」シリーズも注目です。多彩なカラーバリエーションがあり部屋の雰囲気に合ったデザインのエアコンを設置することができます。
全体の印象としては気流制御に力を入れている?
個人的な感想ですがダイキンのエアコンは気流制御に力を入れている印象です(他のメーカーでもけっこう気流制御機能はありますが)。
上位機種のRシリーズ、Aシリーズと「スゴ暖」のDXシリーズにはサーキュレーション気流という気流制御の機能が搭載されています。
それ以外の機種も安価なEシリーズ、KXシリーズ以外は天井気流という機能が搭載されています。気流を上方に持ち上げることでエアコンの風が直接体に当たりにくくなっています。
パナソニック
パナソニックは自動お掃除機能を広めたメーカーとして名高いようですが(世界初は富士通らしいです)、このほかの機能としてはナノイーXやセンサー機能にも注目です。
除菌やニオイの抑制に効果を発揮するようです。動画では実際の使用環境ではないのでここまで劇的な効果があるかというと疑問ですが空気のキレイさを考えるなら検討の価値はあるかもしれません。
最も安いFシリーズ以外に搭載されているのもありがたいです。
比較的安いJシリーズにも搭載されています。
新・ひとものセンサー
センサー機能では「人の在・不在」「人の居場所・活動量」「家具の間取り」「人の温冷感」を判断してくれる新・ひとものセンサーに注目。独自のアルゴリズムで温冷感を判断してくれるのは世界初の機能のようです。
このほか日射センサーや部屋の冷えやすさを判断する「おへや学習機能」といった機能が搭載されています。
ダブル温度気流
部屋にいる一人ひとりの感じ方に応じて風の温度を調節してくれます。
ひとものセンサーやダブル温度気流がが搭載されているのはWXシリーズとXシリーズの高級機種になります。
三菱電機
三菱電機はエアコンにセンサーを取り入れたメーカーということもあってセンサー機能に注目です。
「ムーブアイmirA.I」は外気温や熱源などのデータをもとに未来の体感温度を予測して運転を行ってくれます。
温度が変化する前に先読みして運転をするので快適さがずっと続くのかポイントです。
「ムーブアイmirA.I」を搭載しているのは高級機種のFZシリーズとZシリーズとなります。
ハイブリッド運転
三菱の特許技術としてエアコンと扇風機の良いところを合わせたハイブリッド運転があります。
体感温度が低いときは風だけ、高いときは冷房と自動で切替えてくれるので省エネにもつながります。
この機能は一番安いGEシリーズにも搭載されています。(GEシリーズは冷房時のみ)
このGEシリーズは安価なもでるながらも一応センサー機能が搭載されていて(高級機にくらべると性能はもちろん落ちます)、予算少な目の人は注目です。
冷気カット暖房・自動風あて風よけ
暖房運転時では窓からの冷気をカットしながら運転してくれる「冷気カット暖房」。
寒い足元をピンポイントで温め、なおかつ温かいと感じてきたら自動で風をよけてくれる機能も搭載されています。
高級機のFZシリーズとZシリーズのみになりますが暖房重視の人はチェックしてみてもいいかもしれません。
日立
日立のエアコンは内部を凍らせてから一気に溶かすことでホコリやカビを洗い流す「凍結洗浄」という機能をウリとしています。
凍結させることで汚れが落ちやすくなるようです。
定期的に洗浄することで省エネにつながりそうです。
こうした機能は高級機種にしか搭載されていないだろうと思いきや、安めのGシリーズにまで搭載されているのが特徴(ただし機能は制限されます)。
ちなみにイオンを内部に充満させたり部屋の状況に合わせて洗い方をコントロールしてくれるのは最上位のXシリーズのみです。
ステンレス・クリーンシステム
エアコン各部にステンレスを採用し、熱交換器にはチタンを採用するなど内部の清潔さにこだわっている印象です。
このステンレス・クリーンシステムは比較的安いGシリーズでも搭載されています。
くらしカメラAI
日立もセンサー機能に力を入れているようです。
人、家具、部屋の形状や素材、温度、湿度といった要素をカメラで見分けて高精度な空調制御を実現しています。
業界初という「人識別機能」は一人ひとりを識別して在室時間や体感温度の変化を見ることでこれからの体感温度を予測して運転を行ってくれるという優れもの。
搭載されているのは上位機種のXシリーズのみですが、人の位置や距離、活動量などを判断してくれる「くらしカメラ」はEシリーズやELシリーズにも搭載されています。
シャープ
シャープの特徴はやはりプラズマクラスター。
カビ菌やニオイに効果があるとされています。そして上位機種に搭載されてた「プラズマクラスターNEXT」はストレスをがたまりにくい環境や集中しやすい環境を作り上げてくれるのだとか。
個人によって感じ方に差はありますし、本当に効果があるのかどうかというところではありますが・・・
プラズマクラスターNEXTを搭載しているのはH-Xシリーズとなります。
COCORO AIR
無線LAN環境が必要になるようですが、学習し成長する機能を備えています。
設定温度の操作履歴を蓄積し自動で温度設定してくれたり、音声で役立つ情報を教えてくれたり、地域の天気情報を入手してそれに合わせて運転してくれたりと他のメーカーには無いシャープらしいともいえる機能が搭載されています。
シャープは全機種無線LAN内蔵。低価格なH-SモデルにもCOCORO AIRが搭載されています。
清掃や気流制御機能も
あらかじめ設定しておけば温度20℃、湿度70%を上回ったときにプラズマクラスターでエアコン内部のカビを抑制してくれる機能(2018年モデルはH-Sシリーズ以外)。
ロングパネルによって冷房時は風を上向きに、暖房時は風を下向きにといった機能も備えています(H-Xシリーズ)
。
富士通
富士通は世界初という熱交換器加熱除菌機能をウリとしています。
熱交換器に溜まった水分を加熱して除菌に使うという機能。熱することでカビ菌や細菌の除去に有効なお湯となるようです。
最上位機種のXシリーズだけでなく、Zシリーズ、Dシリーズにも搭載されています。
プラズマ空清 プラズマクリーン
電気集じん方式による空気清浄機能でカビや細菌の除去に力を発揮してくれます。
PM2.5にも対応していいます。
これを搭載しているのはX、Z、D、それに暖房強化型モデルXNシリーズ。
デュアルブラスター ハイブリット気流
エアコン左右のデュアルブラスターからの気流によって部屋の隅までムラなく快適にしてくれる機能です。
冷暖房の風とは別に冷気暖気を運び循環させるための気流を作り出すことによってこうしたことが可能となっています。
X、XS、暖房強化型のXNシリーズに搭載されています。
コンパクトモデルCシリーズにも注目
Cシリーズの室内機は高さ250mm、幅728mmとかなりコンパクト。エアコンを設置する場所が・・・という人は機能は少ないですがCシリーズをチェックしてみてはどうでしょうか。
東芝
東芝がこだわっているのは空気清浄機能。
プラズマ放電によって汚れを帯電させて熱交換器に吸着。
汚れは運転時に結露した水によって排水ホースに流され自動的に外へ排出されるようです。
空気清浄機を設置するスペースが無いという場合には役立つかも。
ハイスペックモデルのE-DRシリーズにはセンサーが汚れをチェックして空清運転をしたり、部屋の汚れ具合を教えてくれたりする機能が搭載されています。
内部お掃除
ダストボックスの掃除は専用ノズルを取り付けた掃除機で吸うというのはなんだか新しい気がします。
秒速ダッシュ暖房
この他では温風が出るまでわずか30秒という秒速ダッシュ暖房が注目でしょうか。
秒速ダッシュ暖房を搭載しているのは最上位のE-DRシリーズと寒冷地用ハイスペックのDRNシリーズとなります。
メーカーで機能があり過ぎてよくわからん!
メーカーの機能をいくつかピックアップして取り上げてみましたが、これ以外にも機能はたくさんあります。
「家はこういう環境だからこのメーカーのこの機能がぴったり!」といった具合にピンとくる機能があった場合はその機種を検討してみると良いと思いますが、そうで無い人もいると思います。
そうで無い場合はあえてシンプルなモデルを選んでみてはどうでしょうか。特にリビング以外への設置を考えている人におすすめしたいです。
実は人気のシンプルモデル
ここ3~4年間、価格COMさんのエアコン売れ筋ランキングをたまにチェックしていますが、常に人気になっているのはダイキン、パナソニック、三菱電機あたりのシンプルなモデルなんです。
やはり価格が安いのが一番のポイントだとは思いますが、シンプルで余計な機能が無いから故障しにくそうという要素もあるかもしれません。
コンロなどの熱源があったり、部屋が四角でないリビングは多機能なモデルを選んだほうがいいかもしれませんが、そうで無い場合はシンプルなモデルを選ぶのもありではなでしょうか。
パナソニックのFシリーズ、三菱電機のGVシリーズ、ダイキンのEシリーズなどは定番だと思います。
実は人気のコロナ ただし冷房専用
実は人気なのがコロナのエアコン。機能はシンプルですが非常に安く、お手ごろです。予算を掛けたくない人は一考の価値ありです。
ただし注意したいのは冷房専用なところ。
「冬はストーブを使っているから大丈夫」
という家庭だけになりそうです。
本当に機能が必要か考えてみよう
最後に繰り返しにはなりますが本当にその機能が必要なのか考えてみることが大切だと思います。
もちろん、
「家は部屋の形が特殊だから気流で隅々まで風が届くモデルが欲しい」
「台所は火を使って暑いから効率的に冷やしてくれるセンサー搭載モデルが良い」
といった明確な理由がある場合は高級機がでも良いと思います。
ですが、
「この機能初めて知ったけどなんだか良さそう」
「これ便利そうだからとりあえず買ってみよう」
というのでは宝の持ち腐れにもなりかねません(もちろん使ってみて役立つこともありますが)。
実際に使う場所はどんな環境なのか、譲れないと思う機能は何なのかいま一度よーく考えてみることも必要ではないでしょうか。
特殊な場所以外はシンプルなモデルでいいんじゃないかなというのが個人的な意見ではあります。